『認知症高齢者疑似体験プログラムをスタート』

  (日本財団助成事業)

 認知症高齢者が10年後に300万人に達するだろうと危惧されています。認知症高齢者というと、暴力をふるったり、もの盗られ妄想に陥ったり、ろう便などの周辺行動に陥ったり、日常生活を送る上で多大な支障をきたす「認知症だけには絶対になりたくない」と思いこまれてきました。

  そこで、長寿社会文化協会は、平成14年から認知症高齢者疑似体験プログラムの開発に着手しました。
  その目的は認知症高齢者について一般の人が簡単に正しく理解できるプログラムを研究開発することです。

  認知症介護に関わる医学領域、福祉領域、在宅ケア領域等の専門家にお集りいただき、学際相互の理解を深めるため、各分野の専門家に認知症ケアに関わる発表をしていただき、講演会として一般にも公開しました。講演会は認知症に関する偏見差別を払拭する一助となりました。

  委員会の活動は、多岐にわたり①海外事例調査、②認知症高齢者の疑似体験プログラム作成を目的にした基礎資料収集のための調査、③長崎のグループホームでのビデオを活用した良いお世話の模索事例を調査をしたり、議論を重ねました。そして、既知の知識と既存の技術を組み合わせて認知症高齢者疑似体験プログラムを開発することにしました。機材は市販のマウントヘッドディスプレイを使用することにし、トイレを探して迷っている認知症高齢者の目で見たビデオ映像を制作することにしました。

  そして、認知症高齢者疑似体験プログラムを検証するためのモデル事業を平成15年3月15日に実施しました。
  被験者は一般公募を含め14名。体験前のアンケートと体験後のアンケートを実施、評価。認知症が病気だという認識がもてたり、認知症に対してむやみやたらに怖がっていたが、いたずらに恐れる必要がないと理解されました。試作品はさまざまな人々の検証を受け、発展させ、よりよい内容に変えていきたいと思います。

  今後は認知症予防教室や認知症疑似体験インストラクター研修の開催を予定しています。よりよいケアをすべく研究をすすめていきます。